「ごめん、アタイ……」 なのに、そういうことになるかもしれないって怖かったのは。 そんなミャコをずるいって、罪悪感を持ってたからなんだと思う。 みんな悲しい目にあって終わっちゃったのに。媚薬 ミャコだけこんな続きがあって、やり直しがあって許されるの? って。 「何でミャコさんが謝るの……?」 「……」 不思議そうに聞いてくるアズに、やっぱりミャコは答えられない。 その理由を話したが最後、怖いことしか待っていない、そんな気がしてならなかったからだ。 臆病なミャコには、俯いてその返事から逃げることしか、できなかった。 そんなミャコを、アズはどう思ったんだろう。 精力剤 「やっぱりそれって言っちゃいけないことなのかな? ボクはミャコさんがそうだといいなって思ってたから、その答えが聞きたかっただけなんだけど」 小首を傾げて、ちょっと残念そうにアズは笑う。 ミャコは、そんなアズの言葉の真意を測りかねて、思わずアズを見返してしまった。 「なに?」 「ミャコさんさぁ、さっきはマイカさまに言われて誤魔化してたけど……ほんとはボクたちのこと知ってるんじゃない?」 「……っ」 無邪気に何の悪意もなく、アズはミャコがただ唯一秘密にしていることを蒸し返そうとする。 何か言いたかったけど、言葉が出てこない。 「ほら、さっきさ、ボクのこと助けてくれた時、アズって呼んでくれたじゃん? ボクのこと、よく知ってる仲良しさんを呼ぶみたいにさ」 「それは……」 言い訳のできない、決定的な証拠だった。 ミャコがこの世界の人じゃないってことを知られてしまうことへの。 今まで、アキやルーシァにも、えっちゃんにも結局言えなかったこと。 どうして今の今まで口にできなかったんだろうって、そう思う。 キィキィッ! と、その時だった。 少し離れた森の向こうから……いや、そこらじゅうから、ミズのレイアークによって生まれた者達の鳴き声が夜の静寂に届いてきたのは。 「来たっ!」 続いて、夜目のきくアズの鋭い声。 アズの視線の先を追えば、確かに何者かが、隊列を組んでこちらに歩み寄ってくるのが分かる。 「でも、ミズのレイアークがいろんなとこで騒いでるってことは……」 「森……城ごと囲む気なのかも。ボクたちが逃げられないように」 さっきとは打って変わって真剣な声。 囲む気、つまり当初の予測通り、こちらと話し合いに来たというわけじゃないんだろう。 否応に緊張感が高まる。 「後は、相手の意思を確認するだけだね」 「う、うん」 ミャコたちは、そう言葉を交し合うと、そのまま地面に降り立った。 そして、月明かりに照らされた、相手に見えやすいところまで歩いてゆく。威哥王
Archive for ◊ 8月, 2011 ◊
私の恋の相手は小学生からの幼馴染である。小学一年生の春、あいつがこっちに引っ越してきて、ご近所になって、私の通っている学校に一緒に入学して、ほとんど毎日一緒に学校に行かされる羽目になった。
あいつのお母さんから『この子ほっといたら学校行かないからお願いね』と弱冠六歳であった私に言った。私はその言葉を真に受け、小学校の六年間、風邪でも引かない限り毎日一緒に登下校した。媚薬
小学校を卒業する際、こいつともお別れか。やっと開放される。と肩の荷が下りたつもりだったが、もちろんそんなの錯覚だった。近所には中学校が二つしかない。一つは家から徒歩で片道三十分くらい。もう片方は一時間以上かかる。そうなると当然の如く、近所である私達は同じ中学へと進んだ。
中学生になると毎日一緒に登下校ということはなくなったが、時々朝会ったり帰りに会ったりするのは避けようがなかった為、そうなるとどちらからともなく声を掛け一緒に行ったり帰ったりした。もっとも、時々というような言い方をしたが、週に一回は必ずだった。
そんな日々の色気のない生活の中で私達は互いに恋人などできるはずなく、クラスの男女の浮いた話を互いに交わす程度だった。
ある日の体育時間の終わり、次の教科の準備をしていると教科書が無くなっていることに気がついた。
またかと思い深い溜め息が出る。授業が始まるまでの五分間の間に見つけられるといいけれど……。
とりあえず教室を出て行く際にさり気なくゴミ箱を覗いたが無かった。こんなところに捨てないか。そう思って私は早歩きというかほぼ走っている感じで教室を出て行く。精力剤
それぞれの階の踊り場にあるゴミ箱とトイレのゴミ箱を捜したが無かった。急いでいてチラッとしか見ていないが、たぶん無かった。
私は立ち上がりスカートの裾を手で払う。小さな埃が付いて、スカートが少し白くなっていた。
「なんだよ。いきなり教室出てくから何かと思ったらゴミ箱漁り?」
「うっせー。もういいんだよ。私も戻るから戻るぞバカ」
ぱんぱんっと手でスカートをはたく。
「まあだいたい分かるけどさ。探し物は教科書だろ。女子に捨てられた」
あらまあ、知っていたんですか。
「違うわ。探し物は教科書だけど女子に捨てられたわけじゃないわ。自分で無くしたの」
「……ふーん、あっそ」
ぷいっと顔を逸らすと、階段を上がっていってどこかへ消えた。
「なんだあいつ……」
まあいいや、戻ろう。始業開始のチャイムが鳴ってから結構経つ。早く戻らないと五月蝿そうだ。
授業終わり、右斜め前にいるバカに声を掛けた。
「あ? 拾ってきてやったんだからまず最初に『下津様ありがとう』だろうが。あ、ちゃんと可愛い声作って言えよ」
「キモい死ね」
「……お前今本気で言っただろ。俺の心に何かが矢の如く降り注ぎ突き刺さったぞ」
「そんなことはどうでもいいんだよ。だからなんで勝手に拾って来たのかっていう話だっつの」
「どうでもいいって……お前は俺の心が抉られ様とどうでもいいと……?」
実にわざとらしく顔を手で覆い隠し泣いたフリをする。イラッ。威哥王
「露出を上げれば明るくなる。下げれば暗くなる。シャッター速度もISO感度も関係してくるし、被写体や屋内屋外、天気にもよるからね。デジタルなんだし、最初はとにかくシャッター押して慣れることかな」
液晶に表示を出しながら、松浦は指先でダイヤルを動かして説明してくれる。媚薬
もともと、あまり精力剤に興味があったわけでもなかったのに、いざ、新しい機械をいじってみるのは思いがけず愉しい。せっかくなので、使いこなしてみたかった。三便宝
精力剤を受けとって、松浦がして見せてくれたように、ダイヤルを動かしてみた。爪が長すぎて引っかかる。左手の爪はなんともないけど、右手の爪は邪魔だった。
そういえば、碧の爪は、短くて無頓着で、そして可愛らしかった。
柚希の携帯が鳴った。「すいません」と頭を下げて、通話ボタンを押した。
講義が終わって部室に行ってみても、部長や副部長ら数人が、持ち込んだノートパソコンで画像の編集をしていたり、雑談をしていたりで、写真部の活動とは程遠い。
でも、副部長の松浦からは「そりゃ、そうだよ。学祭は秋だし、部室にいても撮りたい物が来てくれるでもないんだから。やる気のある奴は、外に被写体、探しに行ってるよ」と、明朗な回答をいただいてしまった。
「それ、柚希ちゃんの一眼?」
松浦は、素朴な印象の好男子だ。面倒見のいい人柄が、表情ににじみ出ている。
だが、柚希を最初から『柚希ちゃん』扱いして、他の部員にも広がりつつあるのには、苦笑せざるを得ない。女にしては背も高いし、よく近寄りがたいと評されることが多いのに、ちゃんづけはどうなんだろう。
松浦にマグカップを渡されて、碧は「来ていきなり~?」と頬を膨らませながら、鞄をおろした。
「碧先輩、昨日はお疲れ様でした」
「あれ? 亜衣ちゃん、写真部だっけ?」
「いえ、親友を迎えに来て、お邪魔してます」
「碧さんと亜衣って、知り合いだったの?」
柚希の問いかけに亜衣が頷く。
「文学部は昨日が新歓コンパだったの。碧先輩とは席が近かったんだ。碧さん、いろいろ話ができて愉しかったです」威哥王
沙紀の言葉を引き継ぐ形で杉浦が意見を述べた。
その重い響きに部屋の空気は一気に張りつめたものになり沈黙が訪れる。しばらくして、その空気を払うかのように沙紀は言った。
「でも、まだ彼女が関わっていると決まったわけじゃないもの。仮定の話ってことで覚えておいて」
その言葉に大祐達は、大きく頷く。威哥王
それからは、裏社交界への突入に向けての準備などを打ち合わせると杉浦と田丸は海里へ、皐月は課長への報告を兼ねて本部へと戻って行った。
大祐は、病室に残り沙紀と共に溜まった書類の処理に追われた。病室に積まれた書類の束は大量でせっかくの機会だと言わんばかりに沙紀から事務処理を叩きこまれた。
何故こんなにも書類が溜まっているか。それは、常勤の刑事は課長を含めて3人しかおらず政府に提出する正規の書類の作成は非常勤のメンバーに認められていないからである。
とりあず、大祐がパソコンで書類を作成しそれを沙紀が見て判を押すという手順で進められた。三便宝
そしてあらかた処理の目途がたつと大祐は立ち上がり腕を上に伸ばし肩を大きく回す。
「そうですね。…………って沙紀さん。何かうかない顔してますね」
沙織の動く理由が分かったのだから少しくらい明るい顔をしてもいいだろうに今の沙紀の顔はまったく反対で暗い顔だ。
「皐月ちゃん達が考えている通りならいい。だけど………」
この数カ月、沙紀と一緒に過ごすようになってほんの少しだが沙紀の表情が読めるようになってきた。
元々、大祐には弟妹がいて世話をしていたせいか表情を読むのは得意だったりする。
「出奔した子が気になるんですか?」
沙紀は、更にカンを握る力を強める。
「春の事件で会ったあの少女。彼女がそうだと考えているんですか?」
「当たって欲しくはないけれどね。でもそれなら彼女がああも私に敵意を向けていたことに納得がいくの」
沙紀は、窓の外に目をやりぽつりぽつりと言葉を選んでいく。大祐は、口をはさまずその様子を見守る。
「本家に生まれて彼等にも選ばれ大切に育てられた。それなのに、一族から離れ自由に生きている私を見て怒りがわかないはずないもの」
唇を強く噛み、何かに必死に耐える姿。それを見た大祐は、沙紀のすぐ側に立ち沙紀の手に自分の手を重ねる。
「沙紀さんには沙紀さんの理由があります。それにあの時の子達も沙紀さんに何が起きているのか知っていたはず。それに、沙紀さんが気にしているのは違うことでしょう?」
その言葉に沙紀はビクッと体を震わせると俯く。精力剤
「人間位だよ。あと足の生えた魚とか。…そうだ、人面犬とか、頭がライオンで体がヒョウみたいな動物とかぁ」
「えッ!?何それ。誰から聞いたの?」今度は興味がある様だ避妊薬
「知らない?クラスで話題になっているよ」都市伝説か?それにしては奇妙な点が多いような…最近はこんな物か?と、彼はそう思った
詐欺師で”烏”と呼ばれたその男は、独りで街を散歩していた。昼に一件仕事を終わらせておいて、達成感に満ちながらオレンジに染まった街を優雅に歩いている。公園でお茶を一服していると、隣でごく普通な格好をした男性、大体20歳?30歳位だろう。彼等は奇妙な話をしていた。花痴
夕闇迫る黄昏の街。オレンジに染まった街を、バスが走る。
「綺麗だな…」彼はそう言った。平凡なサラリーマンだ。今日は会社の事情で早く帰る事になったのだ。そのバスで彼は隣で立っている女子高生二人の、奇妙な会話を耳にした。
「ねぇ、知ってる?最近大きな烏がこの辺をうろついているんだって」
「大きいってどれ位?」あまり興味が無さそうだが社交的に、関心がある様に見せている。
詐欺師で”烏”と呼ばれたその男は、独りで街を散歩していた。昼に一件仕事を終わらせておいて、達成感に満ちながらオレンジに染まった街を優雅に歩いている。公園でお茶を一服していると、隣でごく普通な格好をした男性、大体20歳?30歳位だろう。彼等は奇妙な話をしていた。
「…だから、遺伝子を操作するだけじゃ同系統の生物しか混ぜられない。雑種を作ると言った感じだな」
「つまりシュレイダを作るには体の構造から変更させないといけないのか」
何を話しているのか気になり、お茶を飲むふりをしてじっくり聞いた。多少推測だが。
彼等は街にシュレイダと呼ばれる、鷹(たか)と鷲(わし)を組みあせた生物が出没するという都市伝説を聞き、それについて語っている様だ。
鷹と鷲か…観てみたいなと、彼は脳裏にその言葉が浮かんだ。精力剤
彼が私の横で、もぞもぞと動き、ぼんやりと目を開ける
。
「あ、おはよう。威哥王君」
私がにっこりと笑って朝の挨拶をすると、威哥王君は何
とも不機嫌そうな顔になってボソリと呟く。
「……なんで戻ってんだ?」
「へ?」
「名前……」
あうっ、威哥王君にも聞かれちゃいましたよ。
だって……だってね?
私は顔を真っ赤にして、お布団の中でモジモジとして、
小さい声で言った。
た、確かに……威哥王君激しかったなぁ……。
その、何度もされてしまったし……。
キュ~……しょ、正直……今現在、下腹部に鈍痛と、他
にもいろいろ痛かったりするけど……でも何か、その痛み
が嬉しいというか……。威哥王
私はもぞもぞと、お布団に包まったまま、威哥王君に擦
り寄る。
そしてお布団の中から、にっこりと彼に笑い掛けると、
「大丈夫だよ」と言った。
「あのね、呉羽がくれるものだったら、私なんでも嬉しい
よ……。例え痛みでも、あなたが愛してくれた証だから、
凄く嬉しい……」
心からの真実の言葉。
私は幸福感と共にそう言っていた。
すると呉羽は、目を見開いた後、何だか泣きそうな顔に
なって私を抱きしめた。
そして、何か言おうと迷った挙句、最後は「ありがとう
……」と言って、私に優しいキスをくれたのでした。
クリスマスライブが無事終わり、我が家に帰ってきたミ
カの父、一ノ瀬大和。
彼がリビングへ行くと、テーブルの上に山盛りに盛られ
た赤と白の饅頭があった。
ソファーに座っている紅小鳥こと一ノ瀬小鳥は、その山
盛りの饅頭に手を伸ばし、無言でぱくついていた。
「えー? 何だよ、教えてくれよー。オレとコトちゃんの
仲じゃないかぁー」
甘えた声で小鳥の隣に座る大和。
大和もまた、赤い饅頭を手に取ると、口に運んだ。三便宝
「うん、美味い。ミカたんが作る饅頭の方がオレは好みだ
が、これも中々如何して……」
そして、ふと視線を感じる大和。
小鳥がジーッと此方を見ていた。
「ん? どったの?」
すると、小鳥は何とも言えない顔で、ニマーと笑うと、
「ウフフ、ひ・み・つ♪」
「えぇー!? コトちゃんが、コトちゃんがオレに秘密だ
なんてっ!! それにその顔! なんかすっげー嬉しい事
があった時のコトちゃんの顔じゃないか!! クソー、知
りたい! 知りたいぞー!!」
「ただいまー……あれ? 何で紅白饅頭? 誰か結婚した
の? それとも出産?」
その時、長女のマリも帰ってきて、テーブルの上に置い
てある紅白饅頭を見て、先ほど大和が言った事と同じ事を
言っている。精力剤
あ、日向君。後で恋人同士の普通とか、定番とか教えて下さい。参考にします!」
「え!? いや、ミカ?」
「あはは、分かった。それなら任せておいて。お決まりのデートコースとかも教えてあげるよ」
「本当ですか!? お決まり! お決まりもまた、いい言葉です……」
うっとりと目を瞑るミカ。威哥王
そしてミカは、自分のお弁当を呉羽に差し出すと、
「はい、呉羽君。あ、最初は私、タコさんウィンナーがいいです」
期待した目で見てくるミカに、呉羽はやがて諦めた様に溜息をつくと、箸を手に取り、彼女の言うとおり。タコさんウィンナーをつまんだ。
「ほれ」
そう言って、彼女の前に持っていったのだが、ミカはプクッと頬を膨らませた。
「あー、呉羽君、駄目ですよー。ちゃんと“あーん”て言わないと! これは、人に食べさせる時の常識です!」
呉羽は目元を押さえ、ピクピクと頬を引きつらせながら、ハーと深く息を吐く。
ゲホッと咳き込みながら、ミカは傍らに置いてあったペットボトルのジュースを口に含む。三便宝
しかし呉羽は、ちょっとすまなそうな顔をしただけで、箸をミカの弁当に向ける。
「ああ、悪い……で? 次は?」
「ミ、ミートボール?」
「ふーん……ほら、あーん……」
(うわー、如何しようこの状況……)
真澄は、この二人の様子を見ながら、自分の言った事に後悔していた。
(いや、さ、最初に食べさせてもらえばって言ったのは俺だよ? 俺だけど……)
呉羽は物凄く優しげにミカを見つめ、そしてミカはそんな呉羽を恥ずかしそうに見ながら、素直に口を開けている。あうっ、これも気のせいかな?
口に入れられる時、お箸の先で、舌や唇を撫でられるような気がします。
それに、何気に俺様になって無いでしょうか? 何かちょっと強引ですよ?
でもな、怪しい光とか無いしな……すんごく優しい目だしな……。
もぐもぐと口を動かしながらそんな事を考えていると、呉羽君はクスリと笑って、私の口の端を指で拭った。
「マヨネーズ付いた」
そんな事を言って、私の目の前で、その指をぺろりと舐めてしまった。
顔がボボンと熱くなる。精力剤
母は僕に月十万円を衣装代としてくれるようになった。母は僕と愛ちゃんに「二人で使いなさい」といった。僕たちは買い物によく出かけるようになった。新宿 の服を回ったが、大人物は僕たちの体にはまだ大きすぎた、原宿に行ったときラフォーレの中を上から下まで見て回った。地下はロリータ服やインディーズバン ドも含めたCDショップ、色の五月蝿い雑貨屋に、帽子屋、が並んでいた。僕は愛ちゃんに手を引かれメタモルフォーゼという店に入った。スタッフはロリータ 嬢、店内にはゴシック、甘系、カジュアルなものまでさまざまなロリータ服が売られていた。蟻王愛ちゃんは服を次々と手に取り僕に合わせていく。そして気に入っ たものを話しかけてきたスタッフに持たせ店内を一回り見終えると僕に試着をさせた。ピンクを基調とした網込みが目立つパフスリーブのワンピース。背中がコ ルセット状になっており、閉めると体にフィットする。特に飾りの無いクラシックなつくりだ。次にきたのは赤のチェックを基調とした、ノースリーブのワン ピース、その日着ていた、黒のブラウスの上にきる。カジュアルなつくりで、胸元に黒いリボンがあしらわれている。愛ちゃんはそれも気に入らない様子だっ た。5着全てを着終わっても、愛ちゃんの表情は変わらなかった。愛ちゃんは僕が試着室から試着の終わった服を持って出てくると、近くにいた定員にそれを押 し付け僕の手を引いて店から出た。しばらく歩くと愛ちゃんは急に止まった。僕は対応に遅れ、愛ちゃんの背中にぶつかった。愛ちゃんは、僕のほうに振り向く と、「あそこの服は千尋くんに似合わない!!!」と大声で叫んだ。近くにいた人たちは、ちらちらと僕らのほうを見ている。僕は愛ちゃんの耳元に顔を寄せて 「そうだね。」
僕は愛ちゃん主催のおままごとにもよく混ぜてもらった。同い年の女の子たちはなんだか威圧的で怖かったけど、愛ちゃんが女の子の服を貸してくれたので、皆 とも仲良くできた。愛ちゃんは決まってお父さん役だった。僕はお母さん役で、愛ちゃんはおままごとの仲で僕のだんなさん。僕の中ではとてもしっくりきてい て、居心地がよかった。
ショートボブの髪と色素が少し薄い茶色で切れ長の目すっと通った鼻筋と薄い唇、その少し冷ややかな顔立ちに、僕の服は本当によく似合った。三便宝愛ちゃんは鏡で 自分の服装をよくチェックすると満足げには鼻を鳴らした。そして僕に振り返ると「どう?」と僕の目を見つめていった。ぼくは、しどろもどろに感想を述べ る。「シックな色使いと愛ちゃんの顔と雰囲気に、その・・・とてもあってると思うよ。」愛ちゃんは僕の返答を聞き満足げにうなづくと、僕のほうを向いて考 え込むようなポーズをとった。「でも、私がこんな格好をするなら、私の服では千尋くんにはもったいないわ。」と愛ちゃんが少しくたびれた自分の服を着る僕 を見ていった。
僕はその夜お母さんに、愛ちゃんが僕の服を着るから僕に、それに見合う服が欲しい。と話した。お母さんは、なら貴方も私が買った服を着ればいいじゃない。といった。僕はお母さんに笑われるのを覚悟で女の子の服が欲しいと言った。お母さんは笑った。威哥王
小学生になってもしばらく遊びは変わらなかったおままごとの延長の物語り作り。僕と愛ちゃんは学童に入っていたけど、よく二人で抜け出して、僕のうちで着 せ替えごっこをした。ママのクローゼットにはいつも僕たちが満足するだけの服が入っていた。ママはクローゼットを荒らしても怒らないし、一度着た服は着な いからクローゼットは物置同然だったから。愛ちゃんは僕よりかは大きかったけどママの服を着るとぶかぶかで袖と丈がいつも余っていた、でもその端正な容姿 はそれすらも味方につけ、愛ちゃんの着せ替えは美しかった。
精力剤
僕ははじめは愛ちゃんの着せ替えを見ているばっかりだったけど、愛ちゃんに自分が見合うようになりたくて、パパの服を着るようになった。ぶかぶかのシャツ に、かた結びのネクタイで愛ちゃんの相手役をした。でもいつも愛ちゃんに「千尋くんにはそんなの似合わない」といわれた。でも僕は自分の格好に満足してい た。鏡で見ると確かにちんちくりんだったけど、普通の服よりかは愛ちゃんの装いに似合っていたから。でも愛ちゃんは次に僕んちに来るとき自分のお下がりを 持ってきた。愛ちゃんに着るように言わ
人間の耳は大体、生後10~11歳ぐらいまでに基本的には完成されてしまうから、一般的に成人した日本人には英語が聞き取りにくいのは当然のことだと言える。逆に、英語を初めとする欧米系言語圏の人達は、高く広い周波数帯域(パスバンド)を 持つお陰で元々色々な音を聞き取ることが出来る言語野が発達している。外国人が外国語の習得が早いのはこの為だ。特に語学の習得には、聞くことが出来た音 を何回も真似て学習すること以外に方法がないから、まず音を聞き分ける耳を持つこと。そして、意味のある音を認識できる脳を持つことが何よりも大切にな る。三便宝だから、僕ら日本人が、いくら普段多くの英語を耳にしていたとしても、例えば洋楽を聴いたり、洋画を字幕で観たりしていても、その音を脳の言語野で キャッチ出来ていないから、覚えることは勿論(もちろん)、聞き取ることさえ出来ないんだ。その結果、文法に偏(かたよ)っ た勉強になってしまい、一向に話せるようにはならず、とても簡単な受け答えですら、どうにもならないのが普通だ。特に電話はもう無理で、恐怖にさえ感じて しまう。しかも、みんなその原因をちゃんと分かっていないから、英語の習得は海外で生活するチャンスに恵まれた人以外には不可能と思い込んで諦(あきら)めてしまう。でも、それが今の学校教育の結果だ。英語の本当のことを伝えず、諦(あきら)める人ばかりを作って来たんだ。僕の場合も、以前、N.Y.(ニューヨーク)に出張した時に全く歯が立たなかった経験がある。威哥王
誰だって相手に伝わりづらい難しい表現は敢(あ)えて使わないだろう。だから、僕らの英語の正しくない筈(はず)の アクセントや発音でも、きちんと聞き取ってくれるし、向こうの言っていることも結構理解出来たりする。とっさに英語でなんて言うか、言葉が出て来ないこと がこちらの唯一の問題で、それさえ無くなれば完璧だと勘違いしてしまう。だが、現実はそんなに甘くない。少なくとも海の向こうに行くと違う。全然違う。そ れこそ、日本人と会話することすら人生で初めてというアメリカ人がほとんどで、ネイティブ同士が普通に会話する感じで早口で話し掛けて来る。おまけに英会 話教材のような綺麗な発音や文法じゃない。やっとのことで聞き返しても、こちらが言っていることが全く伝わらない。ゆっくり何度も繰り返しても、まるで駄 目で、簡単な英語がアメリカ人に通じないなんて全く信じられないことだが、その時は仕方がないから、紙に書いて説明する羽目になった。英会話の講師には簡 単に通じた自分の英語が全く通じない。約5分の2程の音は意味を持つ言葉として聞き取ることが不可能らしい。これは脳が雑音として排除してしまうからで、聞こうと思ったものしか聞こえない人間 の習性の為なんだ。それ以外の周波数の音が決して耳で聞こえていないわけじゃないけど、それらの音は聴覚野で言語以外の音として仕分けされ、言語野以外の 感覚野に送られてしまう。まるで駄目で、簡単な英語がアメリカ人に通じないなんて全く信じられないことだが、その時は仕方がないから、紙に書いて説明する羽目になった。英会話の講師には簡単に通じた自分の英語が全く通じない。万事そんな調子だから、英語にどっぷり浸(つ)かって慣れて、自分のレベルを一気に上げてしまおうなんてとんでもない考えだった。精力剤

